ゆうなんとかさんの雑記帳的な。

Twitterで踊ったり音ゲーしたりしてるあの名前がよくわからない人が書いてるらしいよ。

月1くらいで読書感想文というかブックレビューにチャレンジしたいです。

εに誓って SWEARING ON SOLEMN ε (講談社文庫)

εに誓って SWEARING ON SOLEMN ε (講談社文庫)

月1くらいでレビューに挑戦したいところですね。

 

久々に読みたくなって古くなったカードケースを新調するついでに買ってみました。森博嗣の小説を初めて読んだのは高校の時でしたね。氏の名前はそれよりもずっと前に、父が購読していた某雑誌で連載していたコラムを読んでいて名前を知っていたので、小説も書いていたんだ!と感動しつつ迷わず手に取りました。それが「黒猫の三角」。

黒猫の三角 (講談社文庫)

黒猫の三角 (講談社文庫)

これを最初とするVシリーズは高校の図書館に全巻図書委員権限で揃えてもらい揃っていたので読了。かなり手の混んだ、しかし全然不自然な感じのしないトリックや、今までの小説とは一線を異にするラノベっぽい文体など、読んでいて引き込まれるものがあります。小鳥遊練無の存在は男の娘の流行を先取りした感もあり多少なりともいまの私に影響を与えているのでしょうね。

そのVシリーズが完結してから新しく始まったのが、ギリシャ文字をフィーチャーした奇妙な連続事件を描いたGシリーズです。冒頭で紹介した「εに誓って」は4作目。過去3作はというと、大学に入ってすぐくらいに図書館で借りて読んでいいるんですね。しばらくどころじゃないですねはい、色々わけあってかなり間が開いてしまいました。

 

物語は冬の寒い夜、東京から那古野に向かう高速バスに、加部谷恵美と山吹皐月が乗り込むところから始まります。その少し前、なんとそのバスの運転手が何者かに殺されるという事件が起きていました。そんなことをつゆほどにも知らない乗客たちを乗せたバスは、代わりの運転手によって、多少遅れるものの、何事もなかったかのように発車します。ところが…

バスが走りだしてしばらくすると突然、前の方から男の声が聞こえました。

「みなさん、大変申し訳ありません。皆さんにとっては残念なことかもしれませんが、どうしてもお伝えする必要がありますので、少々お時間をいただきたいと思います」

手には何やら武器のようなものを持っている様子。こうして、一行を乗せたバスは謎の組織によりジャックされてしまいます。車内はパニックになるかと思いきや、バスのエンジン音のほかは静寂が支配する世界に。男も落ち着いて欲しいと丁寧にお願いし、乗客たちには携帯電話で連絡をとってもいいと言います。その他にも、休憩が欲しいのであれば申し出れば許可する(ただし制限はある)、その後も何度も気を遣い、恐ろしいほど丁寧な口調で質問はないかとも尋ねます。

何かがおかしいバスジャック。それとほぼ同時に、警察に届けられた犯行声明。「ε」という謎の組織。背後で動く人物…それらがシステマチックに関連し、この物語は結末へ向かいます。

森博嗣の小説によくあることですが、死というものが甘美で、神々しいものだと飾り立てられるにも関わらず、それでいてなぜすぐそこへ向かおうとしないのか、という問いかけをこれでもかとしてくるフレーズが多分に散りばめられています。ラノベっぽさを醸し出すファクターのひとつなのですがこの一連の事件の動機は何なのか、シリーズ全体を通したテーマは何なのかをちらちらと覗かせるように。

 

さて、今月は何を買おうかしら…