ゆうなんとかさんの雑記帳的な。

Twitterで踊ったり音ゲーしたりしてるあの名前がよくわからない人が書いてるらしいよ。

トランスに関する気になるブログの記事があったので翻訳してみた

今回は毛色が違う記事です。あと、いつもの長い記事とは違い、コードブロックで嵩増ししてない長文です。

タイトルにもある通り、
Ten Things Not to Say to a Trans Person « Matt Kailey
こちらの記事を和訳しました。原文がえらく高圧的な印象だったのもあり、柔らかい表現になるよう気を付けたうえで、さらに多分に意訳してあります。内容が内容なので、少々苦手な方もいるかもしれませんがお付き合いください。もしくは×ボタンや←ボタンを。

トランスジェンダーに投げかけてほしくない10のことば

私を含め、多くのトランスジェンダーが様々な立場から話をしたり、知識を得たりしています。なぜなら、私たちが何者なのかをトランスジェンダーでない人たちに理解してもらうことはとても大切だからです。私たちは話し合いの場で多くの意見や質問をいただいた結果、特定の話はしないように、もちろん私からも決して話さないようにしようと思っています。そうすることで、私たちが互いに道理を貫きつつ、いかなる質問にも快く答えられるようになると期待しています。そうすることで、古くさくて愚かしい質問は出てこなくなることでしょう。
しかし、訓練や教育の環境、社会や職場の環境には大きな隔たりがあります。私たちが話をしたり知識を得たりするとき、質問や意見に答えるという選択をしています。ファーストフードを食べているとき、ショッピングモールで買い物をしているとき、ただ単に外で誰かと出会ったときにも、時々不意討ちを食らっているのです。
そこで私は、(トランスジェンダーのことについて)正しい知識を得られる場にいないトランスジェンダーでない人々に少しばかり気を付けてもらうためにも、「トランスジェンダーに投げかけてほしくない10のことば」を提示します。

1.あなたは「手術」やったの?(「手術の前?後?」「済ませちゃったの?」なども同じくご遠慮願いたいものです。)

誰も「手術*1」はしていません。トランスジェンダーの中には、多くの手術*2をした人もいればそうでない人もいます。私たちはあなたが何を聞きたいのかは分かりますが、たいていはそのことであなたを困らせるようなことがないようにふるまっています。あなたがたと同じく、私たちの個人的な部分のことは不問とすることに決めましょう。あなたがお見せするのであれば、私もお見せしますが…
ところで、外性器(の手術をすること)がトランスという行為の全てではありません。実際には、社会的側面から見たトランスはそれよりもはるかに厄介で、複雑で、難しくも魅力的なものなのです。あなたは他の知人の性器について聞くなんてことはしませんよね?手術について(軽々しく)聞くということは、その人について、人として他の側面を無視することになるでしょう。
私と一夜を共にするというわけでもない限り、服の下のことはこれといった関心事ではないでしょう。もしそうなのであれば、私が決断を下す前に、あなたの服の下を見てみたいものです。

2.どっちのトイレを使うの?

私たちは法律が許せば、表現している性別に合った方を使います。あなたがたが自分にとって正しい方を使うように、私たちもできる限り自分にとって正しいと思う方を使います。そして、あなたがたと同じような理由でトイレを使います。あなたがそこで何をしているのかに興味はありませんし、私たちもそのことにあまり関心を持ってほしいわけではありません。ただ入って、用を足して、そして出るだけです。気になるのであれば、公衆トイレをずっと見ていればお分かりいただけるでしょう。

3.こんな髪型にすれば、こんな風に歩けば、こんな風に◯◯すれば、もっと男らしく(女らしく)なると思うよ。

アドバイスありがとうございます。それで、何か気にくわないことでもあるのでしょうか…

4.いつトランスしようと決めたの?

私たちはこのように「なろう」と「決めた」わけではありません。「このうよに生まれてきた」の(ほうが的を射た表現)です。あなたはいつ自分の性別を「決めた」のでしょうか?もしくはいつ知ったのでしょうか?私たちがトランスすることを「決めた」ように見えますが、多くのトランスジェンダーはトランスすることを選んだとは言わないでしょう。それは医療行為を受ける上で必要だからであって、いかなる「決断」も、トランスするために必要に迫られたからという、単に(私たちがありのままでいられるように)生きていくための決断をしたまでのことです。

5.うまくパス*3できてるね。

とくにトランスを始めた最初のころは誉めことばに受けとる人もいます。しかしそうでない人とって、「パスしてるね」というひとことは、自分の思っている性別と見なされていないないことを意味します。こちらからパスしているか聞かない限りは、「今日はすてきな格好だね」や、「その色よくにあってるよ」といった、他の人にも言うようなことの方が誉めことばです。

6.君を怪物か何かだと思っていたよ…でも今は普通の人みたいだよ!

次の満月の夜にお会いしましょうか?

7.どうやってセックスするの?

一緒に寝ることがあったらお見せしましょう。ただで、とはいきませんよ。
真面目な話、セックスの方法はたくさんありますし、トランスジェンダーもそうでない人と同じようにやります。セックスは正常位だけではないでしょう?トランスジェンダーもそんな感じです。あなたが「棒を穴に入れる」以外認めないというのであれば、あなた自身何かを見逃しているかもしれません。
(「どうやってトイレを使うの?」も同じくらいいらいらします。えっと、尿道というやつがありますよね…)

↑仕方がないもののアレなネタなので白字で隠してあります

8.まだ男らしい(女らしい)ところが見てとれるよ。

なんてこった、ズボンのチャックが開いたままだったか…
というおふざけはともかく、ほとんどのトランスジェンダーはトランスする前のことは覚えていたくないものです。これを言う人にはたいてい悪気はないと思いますが、彼らが体験できなかった(望んだ性別としての)過去を思って悲しい気持ちになるでしょう。トランスする前の自分自身についての出来事は、辛くなるのであまり話したがりません。特に問題がなければ、黙っておくのが最善策なのです。

9.あなたを嫌ったり傷つけたりする人は怖くないの?

もちろん怖いですよ。ですが、誰かがその話を持ち出さない限りは考えないようにしています。

10.あなたにとって男(女)である意味って何?

あなたがトランスジェンダーでない人たちに同じ質問を投げかけないように、その手の質問に意味はありません。

で、これなんなの?

経験則ですが、程度も差はあれ、自分の属する社会における男らしさ、女らしさに反感や違和感を覚える人はそう少なくないようです。むしろ全く違和感がない人を探すほうが難しいと思います。この難しい問題に真剣に悩みながら向き合っているう人とも何人かお会いしてきました。さらに、私自身も死にたくなるほど深刻に悩んではいないものの、正直なところ片足突っ込んでるような身の上です。そういうこともあり、多少なりとも関心事であったところにこのブログがRTでタイムラインに流れてきたので翻訳してみた、というわけです。
なお、これは「トランスジェンダーからそうでない人へのお願い」ですが、冒頭のブログでは逆に「トランスジェンダーがそうでない人と接するときのポイント(英語)」も別記事で書かれています。

*1:こちらの手術は'operation'

*2:こちらの手術は'surgery'

*3:pass:当人が望んだ性別の人として社会に受け入れられていること。男性として生活したい人であれば、女性専用車両に駆け込むと白い目で見られ、男物の服を買えば試着するか尋ねられること。逆は「リード:read」