インターネットにおける笑いの表現の変遷
きっかけ
こんなところで腹筋崩壊*1(死語か…)できる自分って何なんだろう…
文中で笑いを表現するということ
ト書きに由来するとされています。例えばこんなかんじに。
- 主人
- 当り前さ、わたしも魔法を知っていれば、お前さんなどに任せて置きはしない。(一同笑い出す)
- 王女
- (笑い出す)それはそのはずですわ。そんな古いマントルを着ていらっしゃれば下男か何かと思われますもの。
- 王
- (嘲笑う)生意気な! わたしのマントルの力を見るが好い。
大正11年 芥川龍之介 「三つの宝」
結構昔からあったようで、明治時代にはすでにあった表現だったそうです。
ではインターネットではどうだったのか
ごく最初期は(笑)や(笑い)が使われていたようです。これが次第に省略されていき、
(笑)→(笑→(warai→(wara→(w→w
となったというのが定説です。マルチバイト文字の使えない環境では「笑」という字を使えないので、「(warai」と表されていたところからスタートして、徐々に省略されていったようです。なお、この時点では微笑するようなニュアンスだったのですが、後にニュー速VIPを中心として、wを連打することにより笑いの程度を表現する手法が確立しました。例がこちら。
なにそれw←微笑
なにそれwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww←大笑い
この流れはニコニコ動画にも受け継がれています。弾幕が
おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー やべーーーーーーーーーーーーーー
と言う感じではなく、
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお すげええええええええええええええええええええええ
という風になっているのもこのへんが理由のひとつなのではないでしょうか。*1
最近は大量にかたまった「w」が草原のように見えることから「草不可避」という表現も生まれています。
「テラワロス」という表現について
これは「テラ」と「ワロス」の2つに分けられます。「テラ」は「10の12乗」を表すSI接頭辞で、「1TBのHDD」などで用いられるあの「テラ」と同じです。一方「ワロス」は「わら(い)」が「語幹のVIP訛りワロ+接尾辞ス」と変化したもので、ニュー速VIP板が源流と言われています。当然
ワロス→キロワロス→メガワロス→ギガワロス→テラワロス→ペタワロス→エクサワロス→...
と続いていくわけですが、相次ぐ「ワロス」のインフレーションは、おおよそテラオーダーで止まったようです。逆にこれっぽっちも笑えないことをして、
ミリワロス→マイクロワロス→ナノワロス…
と続く例も、「テラワロス」ほどではありませんが見られました。しょぼいネタはスルーされがちなのが理由でしょうか。ちなみにしょこたん語の「ギザワロス」は「ギガ」を「ギザ」と打ち間違えた*2ことに由来します。
「ワロタ」は過去形で、今まさに起きたことに対しても使うむきもあるものの、将来のことに対してはあまり用いない表現です。
「腹筋崩壊」という表現について
こちらのことば、「笑いすぎておなかが痛くなるほどおもしろいさま」をさして言うのではなく、「吹いたら腹筋スレにて、筋肉痛によって腹筋がお陀仏になることが回避できないほど対象がおもしろいさま」をさして言うのだそうです。もちろん源流はニュー速VIP。