目次がパッと見てよくわからない小説もこのシリーズくらいだと思う
この前紹介した本について、読み終わったので感想文を書きますね。
今回読んだ本はこちら。
- 作者: 青柳碧人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/06/15
- メディア: 文庫
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ちらっと紹介した時にも言ったのですが、
表紙が可愛かったので本では初めていわゆる「ジャケ買い」をしました(*´ω`*)
ストーリーの下敷きはかなり突拍子もないものです。学校教育が芸術重視、理系科目軽視の方針に舵を取られてはや十数年。数学が蔑ろにされてしまったことに憤慨した数学者集団「黒い三角定規」が、数学をテーマに次々と事件を起こしていきます。それに立ち向かうははどこかの抜けた感じのする中学生の
表紙もそうなのですが、目を引くのが目次。なんと章節番号が
- ...
- (このお話だけ特殊)
- ...
となっており、のっけから数学嫌いな方は「うへぇ…」と顔をしかめかねない目次になっています。*1
章・節のタイトルや一部の節番号を省略していますが本当にこうなってます。冗談抜きで本当にこうなってます。これはこれで次回作の目次が気になるところですね。
ストーリーの構成自体は主人公の浜村渚が、警察が不甲斐なさ過ぎてお手上げな事件を解決して犯人を追い詰めるオーソドックスなミステリーです。冒頭でも書いた通り、犯人の行動が数学のルールに従っていたり、特別な数がその章の重要なテーマになっていたりします。小難しい数式がダーーーーーーーーーーーーーーーーーーッと並ぶんじゃないかな…。゚(゚´Д`゚)゚。と思いきや、そんなものはほとんど出て来ません。優しい渚さんが簡単な例をいくつか示しながら少しずつ核心に迫るように説明してくれるので、予備知識がなくても読み終わる頃にはテーマになった数字や数列を簡単に理解できてしまっているでしょう。
また、人が死んでいるにもかかわらず、どういうわけか登場人物たちのキャラクターのおかげで終始和やかな雰囲気になっています。どのお話も、犯人たちは数学を愛するゆえに罪を犯してしまった、どこか憎めない犯人たちの華麗なる数学ショーが繰り広げられます。
log10000章になっても黒い三角定規のボスが渚たちの前に登場せず、逆に黒い三角定規が差し向けた手下による新たな事件の知らせを受けて動き出すという形で終わっています。単発で終わることなく、続編を期待させてくれる締め方ですね。
「数学ガール」もそうですが、この作品も読んでいて数学が楽しくなると同時にもっと数学勉強しておけばよかったと後悔させてくれる一冊です。表紙も可愛いので私と同じにジャケ買いしてみてはいかがでしょうか?