ゆうなんとかさんの雑記帳的な。

Twitterで踊ったり音ゲーしたりしてるあの名前がよくわからない人が書いてるらしいよ。

錬金術が失敗するのはこれが原因なのか

さて、今月の読書にしようと思って「アジャイルサムライ」を買いましたが、思いの外読むのに時間が割けず、今月中に感想文が気がしないので、別の本の紹介にさせてください。
今月は研究室にたまたま置いてあったのが目についたので読んでいたこちらです。

下流志向〈学ばない子どもたち 働かない若者たち〉 (講談社文庫)

下流志向〈学ばない子どもたち 働かない若者たち〉 (講談社文庫)


この「下流志向」、私が高校生くらいのときに有名になりましたね*1。特に1章『学びからの逃走』は、現代文の読解問題として何度かお目にかかったことがありますね。本として読んだとき、「ここに線を引いたっけ…」「ここがカタカナになってて漢字書いてねって問題あったなぁ」といった思い出がとともに既視感に襲われました。
それはさておいて。この本では「学ばない」「働かない」ことを「変わらない努力を強いている」と解釈しています。一消費者、つまり「お金を払い、商品を得るほかは変わらない存在」であらんとするがために、勉強して知識を得る、または働いて誰かに認めてもらうことで「時間をかけて変わっていく」存在であることをかたくなに拒むのだというわけです。市場原理、貨幣経済のモデルをわかっていると非常に「わかりやすくてセンセーショナル」な仮説ですね。
また、人間が主体的に関わる以上、「等価交換」は成し得ないみたいなことも言っています。「等価」であるか判定するには人によって違わない普遍的な「ものさし」が必要です。無論「ものさし」というのはなにも定規である必要はなく、計量カップでもいいですし、マーカーやカウンターのようなものでもいいわけですが。で、人が何かを学ぶということはその「ものさし」の目盛りを書き換えること、ひいては「ものさし」自体を創りあげることだといいます。つまり、測る前と測る後で「ものさし」が変わってしまうので、等価交換は不可能である、という理屈です。
それから、リスクに立ち向かうにはどうすればいいのかいままさに私が直面しているような気がするので書いてくれているのが助かりました。少々乱暴な言い方をすると、「人を頼れ」ということです。誰かと組むことで、何かあったときに他の誰かがフォローに回れるというのが一番の理由です。便り頼られることで、「1番になれない」可能性は高いけど、必ず「負けない」賭けをすることができる、という寸法ですね。
というわけで、人を頼るのがすごく苦手なので、今からでもこれをうまくやれれば、人生多少はましになるんじゃないかなと思います。実行できるかはさておき、頭の片隅において置けるのは強みだと思うので、これはいつか使えるようになりたいです。

*1:これを言うと年がバレる