素人だけど刑事事件が起きたときのフローチャートをまとめてみた
大まかな流れ
事件が起きる ↓ 警察が被疑者を見つける ↓ 被疑者は証拠を隠滅したり、新たな事件を起こしたりしそうか? ↓YES ↓NO 身柄を拘束する 身柄を拘束しない(または逮捕後釈放する) ↓ ↓ 事件が起きたことを検察に報告する(送致) ↓ この事件は犯罪であるか(起訴判断)?→NO→不起訴処分 ↓YES 刑事裁判を起訴 ↓ 裁判の結果、この人は有罪であるか?→NO→無罪 ↓YES 有罪、酌量の決定
書類送検はただの報告
書類送検とはマスコミが使う用語のひとつで、被疑者が死亡している、または逃亡して証拠の隠滅や新たな事件を起こす可能性がないなど拘束の必要がないと警察が判断したときに、被疑者の身柄を拘束せずに検察に事件があったことを報告することをいいます。上のフローでいうと最初の選択肢でNOを選んだときの4番目の手続きですね。
署は、この男を強姦(ごうかん)未遂か、強制わいせつの疑いで、容疑者死亡のまま書類送検する方針。女性についても、刑が減免される「正当防衛」が成り立つ可能性はあるが、傷害致死容疑で書類送検するという。
朝日新聞デジタル:女性襲った男、ナイフ刺さり死亡 東京・足立の河川敷 - 社会
という一節が話題を呼んでいますが、大まかな流れを見ての通り、事件が起きたら警察はそれを報告しなければなりません。かたや襲われて仕方なくですし、かたや自業自得で死亡と双方とも身柄を拘束する必要はないものの、警察は事件があったことは報告しなければならないため、双方とも「書類送検」されます。刃物で脅された側が正当防衛であるかを判断するために必要な処理なので、これをされたから直ちに有罪ということではありません。今回の事件では双方について
- 被疑者死んでるし逮捕できないけど事件なので検察には強姦未遂か強制わいせつで報告しておきます
- 十中八九正当防衛で、今後もこの人は他の誰かを刺しはしないだろうから逮捕はしないけど、事件が起きたら検察に報告するのが義務なので傷害致死で報告しておきます
といった感じでしょう。
容疑者=犯罪者でもない
もうひとつ言っておきますと、容疑者=犯罪者でもありません。
先に言っておきますが、容疑者はマスコミ用語です。「被疑者(ひぎしゃ)」というよみが「被害者(ひがいしゃ)」という真逆の立場にあるものと似たような語感を持っているため、峻別できるようにするために使っているらしいとのことです。
この被疑者とは何かしらの犯罪を起こしたのではないかとの疑いをかけられて捜査の対象となって、なおかつ起訴されていない人物のことでです。逮捕されていなくても十中八九無罪だろうけど一応調べておきたい人も、捜査の対象となっていれば被疑者といわれます。
職務質問で逃げると逮捕される可能性が
準現行犯人の要件のひとつに「誰何(すいか)されて逃走しようとするとき(警察官に職務質問されて・または姿を見て逃げ出すような場合)」というのがあります。やましいことがあるから逃げるんだろう、というのと、逮捕=とりあえず身柄を拘束すること、と考えると当たり前といえば当たり前ですね。やましいことがなければ職務質問には応じておいたほうが面倒にならなくていいと思います。