ゆうなんとかさんの雑記帳的な。

Twitterで踊ったり音ゲーしたりしてるあの名前がよくわからない人が書いてるらしいよ。

麻生氏のヒトラー発言にひと言っておこう

これが夏バテなのでしょうか。ちょっとしんどいです。
さて、先日頃から何かと話題になっている麻生氏の「ナチス」発言ですが、私の見解はこうです。


Tiwtterではこれで文字数いっぱいいっぱいになっているので言葉が足らない感じですが、「あの手口学んだらどうかね。」のくだりは「あの手口を他山の石として、同じ轍を踏まないようにしていこう」という意味であったと解釈しました。そこに至った経緯は以下のとおりです。
以下、朝日新聞が公開した、発言の詳細を交えながら紹介します。

 僕は今、(憲法改正案の発議要件の衆参)3分の2(議席)という話がよく出ていますが、ドイツはヒトラーは、民主主義によって、きちんとした議会で多数を握って、ヒトラー出てきたんですよ。ヒトラーはいかにも軍事力で(政権を)とったように思われる。全然違いますよ。ヒトラーは、選挙で選ばれたんだから。ドイツ国民はヒトラーを選んだんですよ。間違わないでください。
 そして、彼はワイマール憲法という、当時ヨーロッパでもっとも進んだ憲法下にあって、ヒトラーが出てきた。常に、憲法はよくても、そういうことはありうるということですよ。ここはよくよく頭に入れておかないといけないところであって、私どもは、憲法はきちんと改正すべきだとずっと言い続けていますが、その上で、どう運営していくかは、かかって皆さん方が投票する議員の行動であったり、その人たちがもっている見識であったり、矜持(きょうじ)であったり、そうしたものが最終的に決めていく。

この段落を見ると、今回の発言でヒトラーをどう扱っていたかが解ると思います。とくに重要そうなのは太字にしたところ。ひとつめの2文は、ヒトラーがあくまでも民主主義のルールに則って選ばれたことを強調しつつ、民主主義の失敗例として挙げているように思います。「軍事力」というある意味民意とは真逆の方法で政権を手にしたことを否定していますしね。ふたつめの2文は、いくら憲法がとても良い出来であっても、失敗することはあるんだよ、と警告しています。

 私どもは、周りに置かれている状況は、極めて厳しい状況になっていると認識していますから、それなりに予算で対応しておりますし、事実、若い人の意識は、今回の世論調査でも、20代、30代の方が、極めて前向き。一番足りないのは50代、60代。ここに一番多いけど。ここが一番問題なんです。私らから言ったら。なんとなくいい思いをした世代。バブルの時代でいい思いをした世代が、ところが、今の20代、30代は、バブルでいい思いなんて一つもしていないですから。記憶あるときから就職難。記憶のあるときから不況ですよ。
 この人たちの方が、よほどしゃべっていて現実的。50代、60代、一番頼りないと思う。しゃべっていて。おれたちの世代になると、戦前、戦後の不況を知っているから、結構しゃべる。しかし、そうじゃない。

話はこれを受けて次に進みます。まとめると、「今の日本は民主主義を運営していく上で大きな問題があると認識している」ということでしょうか。ちょうどベビーブーム世代で人口比率も多い*1上に、「バブルで何となくいい思いをした世代」だから「一番問題」だと。

 しつこく言いますけど、そういった意味で、憲法改正は静かに、みんなでもう一度考えてください。どこが問題なのか。きちっと、書いて、おれたちは(自民党憲法改正草案を)作ったよ。べちゃべちゃ、べちゃべちゃ、いろんな意見を何十時間もかけて、作り上げた。そういった思いが、我々にある。

 そのときに喧々諤々(けんけんがくがく)、やりあった。30人いようと、40人いようと、極めて静かに対応してきた。自民党の部会で怒鳴りあいもなく。『ちょっと待ってください、違うんじゃないですか』と言うと、『そうか』と。偉い人が『ちょっと待て』と。『しかし、君ね』と、偉かったというべきか、元大臣が、30代の若い当選2回ぐらいの若い国会議員に、『そうか、そういう考え方もあるんだな』ということを聞けるところが、自民党のすごいところだなと。何回か参加してそう思いました。

 ぜひ、そういう中で作られた。ぜひ、今回の憲法の話も、私どもは狂騒の中、わーっとなったときの中でやってほしくない。

中盤は手前味噌なので飛ばすとして、この部分は「たくさんの時間をかけて作り上げた草案だから、わーっと狂騒の中で決めてほしくない」というのが言いたいことでしょうね。我々は上も下もなく、ほうぼうの意見をまとめて冷静に考えて草案を作った、だから皆さんも冷静に考えてくださいね、という感じでしょう。

 靖国神社の話にしても、静かに参拝すべきなんですよ。騒ぎにするのがおかしいんだって。静かに、お国のために命を投げ出してくれた人に対して、敬意と感謝の念を払わない方がおかしい。静かに、きちっとお参りすればいい。
 何も、戦争に負けた日だけ行くことはない。いろんな日がある。大祭の日だってある。8月15日だけに限っていくから、また話が込み入る。日露戦争に勝った日でも行けって。といったおかげで、えらい物議をかもしたこともありますが。
 僕は4月28日、昭和27年、その日から、今日は日本が独立した日だからと、靖国神社に連れて行かれた。それが、初めて靖国神社に参拝した記憶です。それから今日まで、毎年1回、必ず行っていますが、わーわー騒ぎになったのは、いつからですか。

騒ぎにされておかしくなった例として、靖国神社への参拝を例に挙げます。「お国のために命を投げ出してくれた人に対して、敬意と感謝の念を払わない方がおかしい。」ごもっともですね。今でこそ褒められたことではないかもしれませんが、当時はそれが正義だったのです。
余談ですが、こういうのは原子力機関も当てはまりますね。今でこそ全体で見ればあまり効率的ではないらしいとされていますが、終戦直後あたりは現実世界でもフィクションの世界でも、原子力機関が流行りました。原子力発電だけでなくペースメーカーや人工衛星の電池として活用されましたし、動力源として船や潜水艦、実現こそしなかったものの飛行機や電車に原子炉を積む研究もされてました。フィクションであればサンダーバード鉄腕アトムドラえもんも原子力で動いている設定でしたね。

 昔は静かに行っておられました。各総理も行っておられた。いつから騒ぎにした。マスコミですよ。いつのときからか、騒ぎになった。騒がれたら、中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。だから、静かにやろうやと。

ここで、その騒ぎを起こし、今の日中、日韓関係をこじらせる片棒を担いだであろう犯人は「マスコミである」といいます。
カップラーメンの値段やら漢字がどうのやらと、どうでもいいようなことでバッシングされ続けた氏にとっても、「マスコミですよ。」は本当に身にしみて思っているでしょうね。それもそうですが、ここをカットせず掲載した朝日新聞も今回ばかりはいい働きをしたと思いますよ。

憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。

そして問題の部分に続きます。ここで突然話が飛ぶのでおかしくなってしまったのでしょうね。前の通り、なぜ「だれも気づかないで変わった」のかというと、マスコミが「わーわー騒ぎに」したからです。よって、マスコミに流されないようにしよう、と警鐘を鳴らしたうえで「あの手口学んだらどうかね」ときますから、「手口を反省材料にするべきだ」と解釈したほうが自然かと思います。

 わーわー騒がないで。本当に、みんないい憲法と、みんな納得して、あの憲法変わっているからね。ぜひ、そういった意味で、僕は民主主義を否定するつもりはまったくありませんが、しかし、私どもは重ねて言いますが、喧噪(けんそう)のなかで決めてほしくない。

最後に念を押すかのように「民意は大切だけど、冷静に考えてください!」と言って締めています。

*1:ちなみに次いで多いのは第2次ベビーブーム世代で、ちょうど「アラフォー」世代である